2013年ジャパンチームより

オーストラリア大会で学んだこと

宮崎大学 近藤あかり

ICMJオーストラリア大会に参加して、オーストラリアの食肉産業や格付制度について学ぶことができました。特に、オーストラリアと日本の食肉文化の違いに、改めて驚かされました。日本人は肉を高級品と考えており、霜降りの多く入った高品質の肉、つまり肉質を重視しています。しかし、オーストラリア人は頻繁に肉を食べるため、細かい優れた品種を作り出すことよりも、量を重視しています。始めは、この違いに困惑して、なかなかオーストラリアの格付制度であるMSA(ミート・スタンダード・オーストラリア)に頭を切り替えることができませんでした。しかし、大会中のセミナーやトレーニングを通してMSAの在り方をより詳しく学び、困惑せず競技に挑むことができました。

また、「お互いを思いやる」ということも学びました。今回、韓国やインドネシア、パキスタンなど、同じアジアから多くの参加がありました。同じアジアのチームとして、ジャッジングでわからないことがあれば助け合い、指摘し合いました。そうしたことで、交流の輪も広がりました。また、オーストラリアの食肉事情だけではなく、アジアの食肉事情、格付制度についても学ぶことができ、より畜産に対する自分の視野が広くなりました。

これから畜産についてより学んでいく上で、日本だけではなく、世界を視野に入れて、さまざまな国の食肉事情について知識を深めていきたいと思います。


東京農業大学  小岩 悠樹


オーストラリアではセミナーが非常に充実していました。
教授・企業の方など多くの方々の講演を聴くことが出来全ての講演が非常に興味深い内容でした。講演終了後の学生の質問が多く投げかけられ、その質問に非常に丁寧に答えているのがとても印象的でした。このことからも学生や企業のこの大会に対する思いが伝わってきました。

また競技部門の多さにも考えさせられることが多かったです。オーストラリアでは枝肉の問題はもちろんですが、スーパーで見かけるパック詰めされた状態の切り身を見て品種、部位、そしてこの部位はどんな料理に向いているか答えなさいという問題がありました。日本大会には枝肉の格付以外の部門はありませんが、枝肉を今後見ない人にとってはこちらの方が今後役に立つのではないかと思いました。


日本大学  前原あさみ

私が一番感じたことは、世界は広くて、日本にいるだけじゃ感じられないことがたくさんあるということです。
日本と、オーストラリアや他のインターナショナルチームの国の方々との交流を通じて、食肉というものの認識でさえ国によってそれぞれ異なっているということに改めて衝撃を受けました。オーストラリアでは本当に脂肪分を嫌がり、国内流通用と輸入用とを分けて育てているということに、特に驚きました。

講義等で聞くのとは違う「生の声」を聞いて、自分でその環境に入ったり言葉を直接聞いたりすることと、ただ受動的に日々大学の講義を聞いているだけではこんなに差があるのかということを感じ、同時にそういった発見を得るにはコミュニケーションを積極的に取ることが大切だと学びました。